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2023-01-01から1年間の記事一覧

既読

携帯電話を持ったのも遅かったが、LINEを使用したのは更に遅かった。既読スルーからの仲間外れ、LINEグループ内での悪口を苦にしての悲惨な事例など。コミュニケーション・ツールに何故そこまで左右されるのか_という思いがあった。メールするのと同じよう…

ラ・フランス

月曜日に四個のラ・フランスが届いた。入院する前に、妻が注文していた。かつては、泥付き・虫食い穴だらけの無農薬野菜等を共同購入し、グループで分けるというシステムだった。しかし、そんな高尚な主義主張では、長続きしない。今は、生鮮食品と生活雑貨…

空耳

家の中には猫以外誰も居ないのだが、時々、話声を耳にする。今朝も風呂に入っていた時、居間で誰かの声がした。話声というよりもテレビの音のようにも思えた。妻が入院してからテレビを点けることは4~5日に一度あるかないか。隣近所の家から聞こえること…

オヤツ

妻が入院して二日目の夜。猫はその不在に漸く気づいたようだ。小さな鳴き声。妻のベッドのある2階へ探しに行って、すぐに戻ってきた。妻だけに貰っているオヤツを食べていないことに気づいたという方が正しいのか。獣医師から指定されている2種類の餌しか…

笑顔

大した視覚記憶の持ち主ではないのだが。頭から離れない画像が幾つか。ナショナルキッドのシャープペンシル。漫画雑誌で見たスーパージェッターの或る場面。そんな古い画像の記憶は、もうどうにもならない。困るのは、探せば見つかるのではないかという代物…

二階にいる私

私の退職後、妻が飼うことにした猫は、耳の折れていないスコティッシュフォールド。証明書付きだ。大人しくて抱っこされるのが好きだと聞かされたが、家へ連れて帰ると、本性は違っていた。まず何よりも、今もって抱っこは許してくれない。寝るのも独りぼっ…

娘が猫を飼い始めて今年で12~3年。雨の日の帰りがけ、道端で鳴いている子猫を拾ってきた。少し大きくなって、去勢の処置が済むぐらいまで、預かってもらえないかと言う。当時、私たち夫婦二人で住んでいた集合住宅は、ペットの飼育は禁じられていた。し…

夕方、明るい内に散歩に出ると、犬を連れた人に出会う。老いも若きも。男女を問わない。何人か道端で立ち話しているのは専ら年配の女性。その側を通り抜ける気力は持ち合わせていないから、曲がるつもりのなかった角を曲がることになる。 犬は、どうして大人…

月齢は9.4

妻の具合が、ここ暫く良くない。睡眠障害。食欲不振。それに、体のあちらこちらが痛むようだ。10年近く前から主として消化器内科を受診。びっくりするほどの投薬を受けている。最近は日中の殆どを横になって過ごし、夕食後の数時間程、テレビの前に座ってい…

季節外れ

肌寒くなったのに、夏の匂いという語を思い浮かべている。‥‥何度でも夏の匂いを嗅ごう‥‥夕暮れの道を歩きながら古い歌を聞いていたからか。体を動かしていた頃なら、夏は汗の匂いだが。今は何なのか。具体的な匂いは浮かばないのに、爽やかな芳しい匂いを夢…

心晴れない日々

心晴れない日々。しかし、酒が欲しいとも思わない。日本酒を飲むと、歳の所為か腹を下す。ぐい飲み一杯ですら不調に気づく。立飲みの店で二~三合を軽く飲んでいたのは、もう遥か昔_ということか。 寒暖の差が身体に堪える。肌寒さを覚えると、ウィスキーの…

俺には夢がある

天変地異と外圧が無ければ変われない国誰かが、そんなことを書いているのを読んだ。そのとおり。痛快だ。そう思ったのに、夕闇の中を歩いていて、自分もまたそうだと感じた。 俺には夢がある_その歌詞を、職場のワープロで打ち出し、厚紙に貼付。葉書大の栞…

振り返る人

駅近くの低層集合住宅。傾斜地であるため、駅側は石垣が支えている。下から見上げると、石垣の上の建物はちょっとした高層マンションだ。北側に長い石段があり、早朝、そこを降りて駅へ向かう人がいた。歳は、私と同じかそれ以上。朝の散歩ではなく、勤めに…

若い二人

時々、見ず知らずながら、いいなぁと思う若い男女二人に出遭う。べたべたしさイヤラシサの無い、どこか清潔さを感じさせる二人。むろん、私の勝手な思い込み、感想に過ぎないのだが。 今日電車の中で見かけた二人は中学生のようだった。私が降りる駅の一つ前…

未明の街景色

体調を崩してから朝起きるのが辛くなった。軽くジョギング_という気持ちが起こらない。以前のように楽しいことと思えなくなった。それでも、なんとか起き上がり、せめて、散歩でも_と考える。 未明の街を行く人の多くは punctual だ。決まった時間、決まっ…

ささやかなもの

このところ視かけて止めてしまう映画が増えた。録画していたものを数分視ただけで消去。その多くがホラー映画。思春期以来のグロテスク趣味は失せてしまったのか。しんどいと感じるのはグロテスクなホラー映画ばかりではない。全世界、或いは全宇宙の運命を…

架空の旅行プラン

鬱々とした気分を紛らせるため、旅行プランを立てる。実現する当てはない。それでも、飛行機には乗らず、精々、新幹線を使うか使わないかを迷う程度。新幹線を使わなければ、移動に時間を要する。早朝に家を出ても、到着が18時を過ぎてしまう。新幹線が速い…

田舎暮らし

同い年の理髪師さんから教えてもらったこと。都会での人付き合いが厭で田舎暮らしを始める人、大体は上手くいかない。50過ぎでも青年団。消防団参加。祭りの手伝いは必須。成程なぁ。と思う。昔、有名なフォーク・シンガーも、そんなことを歌っていた。人…

松茸

勤めを辞める前、休日出勤の帰りがけに、松茸を買うことがあった。無論、産地不明の安物。青物商の主人も、天婦羅にしたらイケるよ。という売り方。安物と書いたが、安くはない。家計を考えるなら、腹の足しにならない贅沢品。莫迦げた出費だ。それを紙袋に…

泪 その二

立ち飲み屋で、氷無しの水割りウィスキー。その2杯目が既に残り少ない。最初に頼んだ天婦羅串揚げの五種盛りは二串ばかり残している。3杯目を頼むついでに厚揚げ焼きを頼んだ。三角形の厚揚げが2つ。思った以上に食べ出がある。4杯目を頼まずに済むよう…

泪 その一

勤めがあった頃、帰りの電車の中で、泣いている女性を何度か見かけた。然して遅い時間帯ではない。西の空に未だ光が残る頃。或いは、漸く7時を過ぎたあたり。声は無いが、大粒の泪を頻りに流し、拭っている。何か声をかけるべきではないのか。そう思いなが…

サンマ

ネットニュースの見出しを眺めていて、アメ横で食べたサンマの塩焼きを思い出した。もう15年以上も前。昼飲みの出来る居酒屋へ入って常温の日本酒を頼んだ。壁に並ぶ品書き。サンマ塩焼きで目が止まった。夏の初め。多分冷凍のものだろう。目黒ならぬ上野…

トンカツ

78で亡くなった父は古希を過ぎてもトンカツが好きだったらしい。母が亡くなる前に、そんな話を聞いた。場所は昼から開いている居酒屋。同じ店で父はトンカツ定食を食べていたらしい。別の所になるのだが、或る家電量販店近くのトンカツ屋も好きだったらしい…

素麺

10年程前まで足繁く通っていた角打ちの店。夏になると素麺が品書きに現れた。冷蔵庫の密閉容器の中に、茹でた素麺が一人前ずつ小さな塊で並んでいた。注文が通ると、硝子器に一塊の素麺とツユ、薬味のネギが入り、客のもとへ。食べているのは皆かなり年輩…

ニュース

新聞を読まなくなって久しい。妻が読んでいるため、購読料は今も払っているのだが。無論、テレビのニュース番組も見ない。テレビスィッチをオンにすることも滅多にない。 中学校の夏休み。中央図書館の大閲覧室で新聞を読んでいる痩せた老人に何度も出遭った…

猫は時々、私には見えない何かに気づいて視線を走らせる。そして、どこか一点を凝視する。多分、虫を見つけて追いかけているのだろう。ムイムイがいたのかな。と声を掛ける。虫がいたとしても、この猫は見ているだけで、手出しさえしない。それこそ何度も、…

虹を見た。

明日、台風上陸とのこと。3時過ぎから眠れず、5時にはまだ間がある頃ゴミを捨てに出て、町をぶらついた。風は南の風ではなく、北寄りの風。心なしか涼しく、盆の真下に秋の気配を感じた。空は東も西も朝焼けに染まっていた。西の空でも、朝焼けと呼ぶこと…

口笛

台風が近づいているのは知っているが。毎日の夏空。偏頭痛に悩まされている。眠っていても、起きて座って、また寝転んでも。昼前になって、少しばかり歩くことにした。夕方、早朝よりも、人影が絶えた世界。こんな暑さの中を、散歩するような酔狂は、いない…

どこぞへ行っとったんかい?

久しぶりに見た映画。何回か録画してディスクにも残していたのだが、フォーマットが変わり、見れなくなっていた。最近放映されたのを改めて観た。1998年公開。もう25年も前のもの。たどたどしいセリフ。言葉と言葉が繋がるようで繋がらない隔たりのような間…

辛い物

先日、キムチをたくさん入れた焼きラーメンのようなものを妻が作った。美味しく食べたのだが、数日、腹の具合がよろしくない。食欲が減退する時期には、豚キムチ炒めも頻繁に登場する。が、同様の不具合があったどうか、これは覚えていない。歳をとると刺激…