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空耳

家の中には猫以外誰も居ないのだが、時々、話声を耳にする。
今朝も風呂に入っていた時、居間で誰かの声がした。話声というよりもテレビの音のようにも思えた。
妻が入院してからテレビを点けることは4~5日に一度あるかないか。隣近所の家から聞こえることは終ぞない。
風呂に浸かっていて、居間に妻がいるような気がした。
夜、横になって暫くして、やはり話声がした。
常夜灯だけの部屋の中というよりは、階下の居間から聞こえた気がした。

霊感があると思ったことはない。
妻が入院して以来、誰とも話していない。それは、入院する前から同じようなものなのだが。
風の音でも聞き違えたのだろう。
明日、担当医から予後説明があるのが気になっている。
受話器を通して初めて耳にした「よご」という言葉。聞いてすぐ、余後という漢字変換をした所為か、余命!?という語に飛躍して、鼓動が早まった。しかし、調べてみると「予後」。prognosis という英単語の方が分かりやすかったが、胸騒ぎは続いている。