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糠床

冷蔵庫の野菜室。その奥にある大きな密閉容器は糠床だった。妻が亡くなって暫くしてから蓋を開けてみた。 イヤな臭いがしなければ、まだ使えると思う_というのが娘の判断。そのことをLINEで確認してから、糠床の中を探ってみた。漬けたままになっている物は…

晴れの日が二日

ぐずついた日が暫く続き、久しぶりの晴れの日。行ってみたいギャラリーが幾つかあったのだが。母の誕生日が近かったので墓参りすることにした。平日の午前中だから墓参りの人はごく僅か。墓園らしい静けさが心地良い。昼食のため帰りの地下鉄を途中で下車し…

古い歌

虚ろな夕食時、ネックスピーカーで古い歌を聞いていた。 30年近く前の3月の終わり頃。京都府北部への出張の帰り道。大きなワンボックスカーの中には男ばかり5人が乗っていた。一泊二日に過ぎなかったのだが、皆、疲れていた。押し黙った車内にはカーステレ…

バターピーナッツ

黄色く油ぎったピーナッツを探している。しかし、何事も健康志向の世の中、時流に逆らうようなそんな商品は見つからない。昔懐かしいバタークラッカーに似た商品はあっても、これもまた記憶の中にあるような黄色く油ぎったものではない。昔のものも、当然な…

夜中のトイレ

午前2時過ぎ。トイレに起きる。夜中に2度くらい目が覚めて、そうこうしながら起床の5時前くらいになる。妻のベッドの上にいる猫が、寝言を言っているのを聞きながら、暫く、心に浮かぶ言葉を追いかけていた。 動物園のパンダが死んだ。妻は、その飼育日記…

気鬱

燃えるゴミの回収は週に2回。独り住まいになってからは、キッチンのゴミ箱には、1回休んでも未だ早いかなという程度しか溜まらない。数日続いている雨は今日も降っていて、傘を差して行く。おまけに今日はゴミステーションの清掃当番。私がゴミを出すのは…

鏡の向こう

洗面台に据え付けの三面鏡。鏡の向こうには棚がある。左右の鏡の裏の棚は入居したときから使っていたのだが、正面の一番大きな鏡の裏にも棚がある。それに気づいたのは、昨年の春頃。入居して7年が過ぎていた。妻に、この後ろに棚があるのを知っていた?と…

一年が過ぎて

このサブ・ブログを始めて一年が過ぎた。なんとなく心が晴れない時、数年前までは一人で飲みに行った。職場でのイヤな気分を家に持ち帰らない。少し飲んだら気分が変わるのだから、どこかで軽く、飲んで帰ってきたら。在職中、そう言ってくれた妻だったが。…

コーヒークーポン

駅前にある二つのスーパーマーケット。そのどちらかで、ほぼ隔日に買い物をしている。立ち寄る場所のない私には、それが気晴らしになっている。売っている食材に違いがあり、ドリップ用のコーヒーは、片方にはあって片方にはない。妻がまだ入院していたころ…

朝食

今日の朝食。これに、温めた低脂肪牛乳。コーヒー。プレーンヨーグルトをかけたフルーツグラノーラ。(無塩ローストのクルミとドライフルーツを更に追加している)バナナ、リンゴなどの果物。今日の朝食としたが、私の用意する朝食はずっとこれ。多分、飽き…

ギックリ腰

妻の死後、一人娘が、モーニングコール用のLINEグループを作ってくれた。グループと言っても、メンバーは娘と私だけだが。これで、引籠りの独居老人が、死後何日も気づかれずにいた_ということにはならない。 その毎朝のやり取りの中で、娘が、どうやらギッ…

馬刺し

久しぶりに個展を覗いた。DMの絵に魅せられ、天王寺、あべのハルカスへ。開場と同時に入って、昼は難波辺りで飲むつもりだった。しかし、購入するつもりなのか_考え始めると、今日は行くのを止めようか_という引籠り案も。何を美しいと考えるのか、妻の死…

廃車

正月休みで帰ってきていた娘と相談して、廃車を決めた。私名義の車だが、阪神淡路の震災後、気の迷いから免許を取得したものの、運転は向いていない。娘は大阪住まい。勤め先まで、歩こうと思えば歩ける距離に住むため、日常的には不要。私の車は、亡くなっ…

独り飲む場所

引きこもりの独居老人……それでも、自炊の食材を求めて、家を出る。好きだった夕暮れの散歩は、多分もう出来ないだろう。昼前か昼食後、近くの食品スーパーへ行く。食品スーパーの筋向かいにはコープもある。昼前に、その辺りへ行くと、交差点に面した花壇に…

ちぐはぐ

妻が亡くなって2か月が過ぎた。月命日の日、私が食べたのは、昼も夕方も、5日ほど前から続いている味噌味の鍋だった。最初は、もつ鍋。次の日には豚肉と白菜。それから豚肉と大根、竹輪等の練り物、揚げ、豆腐…、少しずつ具材を変えながら。食べながら、食…

既読

携帯電話を持ったのも遅かったが、LINEを使用したのは更に遅かった。既読スルーからの仲間外れ、LINEグループ内での悪口を苦にしての悲惨な事例など。コミュニケーション・ツールに何故そこまで左右されるのか_という思いがあった。メールするのと同じよう…

ラ・フランス

月曜日に四個のラ・フランスが届いた。入院する前に、妻が注文していた。かつては、泥付き・虫食い穴だらけの無農薬野菜等を共同購入し、グループで分けるというシステムだった。しかし、そんな高尚な主義主張では、長続きしない。今は、生鮮食品と生活雑貨…

空耳

家の中には猫以外誰も居ないのだが、時々、話声を耳にする。今朝も風呂に入っていた時、居間で誰かの声がした。話声というよりもテレビの音のようにも思えた。妻が入院してからテレビを点けることは4~5日に一度あるかないか。隣近所の家から聞こえること…

オヤツ

妻が入院して二日目の夜。猫はその不在に漸く気づいたようだ。小さな鳴き声。妻のベッドのある2階へ探しに行って、すぐに戻ってきた。妻だけに貰っているオヤツを食べていないことに気づいたという方が正しいのか。獣医師から指定されている2種類の餌しか…

笑顔

大した視覚記憶の持ち主ではないのだが。頭から離れない画像が幾つか。ナショナルキッドのシャープペンシル。漫画雑誌で見たスーパージェッターの或る場面。そんな古い画像の記憶は、もうどうにもならない。困るのは、探せば見つかるのではないかという代物…

二階にいる私

私の退職後、妻が飼うことにした猫は、耳の折れていないスコティッシュフォールド。証明書付きだ。大人しくて抱っこされるのが好きだと聞かされたが、家へ連れて帰ると、本性は違っていた。まず何よりも、今もって抱っこは許してくれない。寝るのも独りぼっ…

娘が猫を飼い始めて今年で12~3年。雨の日の帰りがけ、道端で鳴いている子猫を拾ってきた。少し大きくなって、去勢の処置が済むぐらいまで、預かってもらえないかと言う。当時、私たち夫婦二人で住んでいた集合住宅は、ペットの飼育は禁じられていた。し…

夕方、明るい内に散歩に出ると、犬を連れた人に出会う。老いも若きも。男女を問わない。何人か道端で立ち話しているのは専ら年配の女性。その側を通り抜ける気力は持ち合わせていないから、曲がるつもりのなかった角を曲がることになる。 犬は、どうして大人…

月齢は9.4

妻の具合が、ここ暫く良くない。睡眠障害。食欲不振。それに、体のあちらこちらが痛むようだ。10年近く前から主として消化器内科を受診。びっくりするほどの投薬を受けている。最近は日中の殆どを横になって過ごし、夕食後の数時間程、テレビの前に座ってい…

季節外れ

肌寒くなったのに、夏の匂いという語を思い浮かべている。‥‥何度でも夏の匂いを嗅ごう‥‥夕暮れの道を歩きながら古い歌を聞いていたからか。体を動かしていた頃なら、夏は汗の匂いだが。今は何なのか。具体的な匂いは浮かばないのに、爽やかな芳しい匂いを夢…

心晴れない日々

心晴れない日々。しかし、酒が欲しいとも思わない。日本酒を飲むと、歳の所為か腹を下す。ぐい飲み一杯ですら不調に気づく。立飲みの店で二~三合を軽く飲んでいたのは、もう遥か昔_ということか。 寒暖の差が身体に堪える。肌寒さを覚えると、ウィスキーの…

俺には夢がある

天変地異と外圧が無ければ変われない国誰かが、そんなことを書いているのを読んだ。そのとおり。痛快だ。そう思ったのに、夕闇の中を歩いていて、自分もまたそうだと感じた。 俺には夢がある_その歌詞を、職場のワープロで打ち出し、厚紙に貼付。葉書大の栞…

振り返る人

駅近くの低層集合住宅。傾斜地であるため、駅側は石垣が支えている。下から見上げると、石垣の上の建物はちょっとした高層マンションだ。北側に長い石段があり、早朝、そこを降りて駅へ向かう人がいた。歳は、私と同じかそれ以上。朝の散歩ではなく、勤めに…

若い二人

時々、見ず知らずながら、いいなぁと思う若い男女二人に出遭う。べたべたしさイヤラシサの無い、どこか清潔さを感じさせる二人。むろん、私の勝手な思い込み、感想に過ぎないのだが。 今日電車の中で見かけた二人は中学生のようだった。私が降りる駅の一つ前…

未明の街景色

体調を崩してから朝起きるのが辛くなった。軽くジョギング_という気持ちが起こらない。以前のように楽しいことと思えなくなった。それでも、なんとか起き上がり、せめて、散歩でも_と考える。 未明の街を行く人の多くは punctual だ。決まった時間、決まっ…