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sakeganomitaitoki

月齢は9.4

妻の具合が、ここ暫く良くない。
睡眠障害。食欲不振。それに、体のあちらこちらが痛むようだ。
10年近く前から主として消化器内科を受診。びっくりするほどの投薬を受けている。
最近は日中の殆どを横になって過ごし、夕食後の数時間程、テレビの前に座っている。
今日の夕方も、とっくに薄暗くなってはいたのだが、起きてくる様子がない。
私が副菜の一つを作ることにした。
冷蔵庫の棚に板蒟蒻があるのは知っていた。それを千切り蒟蒻にして、炒めることにした。
灰汁抜き不要の山芋蒟蒻。千切ったものを笊の中で水洗いして、ボウルに移す。そこへ塩とチューブのニンニクを投下。軽く揉んで味を染み込ませた。片栗粉をまぶすつもりだったが、見つからないため、天婦羅粉で代用。フライパンにゴマ油。これも分量が少なく、米油を加えた。後は適当に味を見ながら炒める。粉末の鶏がらスープの素、紹興酒を少々。
鶏皮炒めのようなものが出来上がった。
漸く起きてきた妻に味を見てもらった。
美味しいとのこと。
今日一日の鬱々とした私の気分も少しは軽くなった。

その後、真っ暗な道をただ歩いた。
骨伝導イヤホンからは、インディアンフルートとアルペジオのピアノ。
月齢は9.4。その11時の方向に輝いていた星は思ったとおり土星だった。