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蕎麦搔き

蕎麦屋というものを見かけない。
街中の路地裏を探せば見つかるのかもしれないが、一見の客が入っていくには敷居が高過ぎる。
しかも蕎麦を食べるのが主ではなく、あくまでも酒の肴、アテとして考えるから、店に入る前から何某かの遠慮がある。日本酒ではなく、氷無しの水割りウィスキーなどと口にすれば、大将が昔気質であるなら、小言の一つや二つは覚悟しなければならないだろう。
結局はファミリーレストラン風の蕎麦屋の方が気楽に思えてくる。
蕎麦は〆としてではなく、最初から出ていて構わない。少しずつ食べて、飲んでいけば、腹も膨れる。蕎麦以外に天婦羅盛り合わせがあれば、もう充分なのだが、メニューを見ながら、蕎麦搔きがあればな_と思うことも。有ったとしても、笊蕎麦よりも高い値段。どれぐらいの量が出てくるのだろうと考える。小鉢物の一つくらいの分量でなければ、酒の肴にはならない。蕎麦粉さえ簡単に手に入るなら、そんなものは家で食べれは良いだけの話だが。
食欲が低下し、飲む量も減ったから、外で食べるのも難しい。つくづくそう思う。