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貧乏神

私の贔屓は、すぐになくなる。貧乏神に近いと妻に笑われること頻りだ。

角打ちの酒店で、お好みアラレを食べていた。三角形の小袋をカッターで切り、皿代わりのチーズの空き箱に出してくれる。その一袋ではあまりに少ないので、もう一袋、別のものを付け足すのだが、白くて丸いえびせんを頼むことが多かった。しかし、それが見当たらない。尋ねると、もうないです_とのこと。あんまり売れなかったので、なくなったのを機に別の商品に替えたらしい。棚を見回してみても、どれが新しい商品なのか私には分からなかった。

そんなに人気がないのか。帰りがけにコープの棚を確かめる。大きな袋入りも、100円の小さなサイズも、これまでどおり。売れないものを置いたりはしないだろう。妻に話すと、あれは美味しいとは思わないと言う。
食べると歯がキシキシするし、エビの殻みたいなものが見えているのもイヤ。
あの殻みたいなものが見えるのがいいのに_と言うと、
そう思わない人の方が多いのと違う?と言われた。
だから無くなる。食べたかったら自分で買って食べたらいいやん。売っているのなら。

乾き物の菓子がある角打ちの酒店は、ここ2~3年の流行り病の間に、皆、閉業してしまった。夕方の散歩で懐かしい菓子を買い求めても、それは単なる年寄りのおやつでしかない。
暮れていく店の外を見やりながら飲んでいた酒の肴ではなくなった。