kanashiikimochide

sakeganomitaitoki

不機嫌な街

久しぶりに梅田の地下街で串カツを食べた。
馴染みの店は、昼には少し遅い時間だった所為か、立ち飲みカウンターが閉じられ、テーブル席だけになっていた。
揚場から遠い、低いテーブル席に座る気持ちにはなれず、すぐ近くの別の店へ。
そこは、丸いカウンター・スツールに座れるから立ち飲みではない。調理場はカウンターの奥、丈の短い暖簾の向こうになる。
お気に入りは蒟蒻の串カツ。蓮根、牛、紅ショウガ、ハイボールを注文した。
二度浸け禁止のソース入れは、どの店も、流行り病を機に、無くなった。
この店では、ソースを入れるためだけの小皿が一緒に出される。カウンターの前の御姐さんが使い方を説明してくれた。先ず、牛から食べてくださいとのことだった。キャベツは大きな入れ物に盛られている。これは以前通りだが、一人ずつの小鉢に変わった店もある。
串カツは、どれも美味い。
高野豆腐の串カツがあるのが分かり、追加注文した。
これも美味い。

日本語勉強中の御姐さんが、お昼ご飯、食べてきます_と云って、どうぞと応えた御姐さんが前を代わった。
そこへ別の御姐さんが来て、小声で愚痴。
今日は、不景気やな_とお客さんに言われたとのこと。
お喋り好きの御姐さんが、お休みであることは気づいていたが。
午前中から大忙しで、不景気なんかじゃない。余計な話はせずに、頑張っている。
言いたかったのは、そういうことらしい。
そこへ、新しい客が入ってくる。
先ず、ナマ!
そこから何を注文したのか聞こえなかったが、ソース皿の使い方を説明すると、
ソースなんかいらん!と怒鳴る。
御姐さんが、小皿にソースを注ぎかけていたが、下げることになった。
すぐに中ジョッキが置かれた。が、スマートフォンを見ていて、気づかない。
ナマはいつになったら出てくるんや。また怒鳴る。
ソコへもう出ていますと御姐さんが言うと、
こんなもんがあるから見えへんのや。メニューを持ち上げて、また怒鳴った。

食べたものは、皆、美味しかったのに、
何故、こんなにも、皆、不機嫌なのか。
我が身を振り返ってみた。
戒めとしたい。