kanashiikimochide

sakeganomitaitoki

講釈

コンニャクが好きな男の人、多いな。
naoko さんが言った。
丁度、おでんの蒟蒻を食べていたところだったが、私に言ったのではない。カウンターの一番奥。壁に寄りかかって飲める常連客定位置にいる人に_だった。

好きやったら好きで言い訳せんでエエのに、なんか講釈というか能書き言うねん。止めて欲しいワ。
どんなこと言うん?
砂落としせんなアカンから_とか言うねん。コンニャクで砂落としって何やねん。アンタのどこに砂が溜まっとんか教えて欲しいワ。
そんなことを言いながら笑っていた。
店のオヤジさんは昼寝から覚めて間がないのか、後ろで手を組んで、ストレッチのように背筋を伸ばしながら立っていた。
声が大きくなると注意するが、まだそれほどではない。

コンニャクで砂落とし。そんなことを言った客は私よりも上の世代だろう。子供の頃、親がそんなことを言ったのを思い出した。
学生の頃はともかく、働き出してからは、人と飲んでロクな思い出がない。飲むなら一人黙って。その方が、結局は美味しく穏やかに飲める。
それでも、陸すっぽ知らない相手に何か話してみたくなるのも分からないではない。私が実行することは、この先、多分ない_とは思うのだが。
以前ほど飲めなくなり、好きだった角打ちの酒店が軒並み閉業した今頃、こんな文章を書いている。
昔、頭の中を掠めていった思いの捌け口として。
ブログは、もう時代遅れだとする風潮も、安心感に繋がっている。