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バーベキュー

新しい戸建て住宅が並ぶ辺り。
天気の良い週末の夕暮れ。ぶらぶら歩いていると、あちらこちらの庭でバーベキューをしているのに出くわす。庭と道を隔てているのは僅かな植栽。その隙間から、缶ビールを手にする人と目が合うことも。覗き見していたようで頗るバツが悪い。肉の焼ける匂いに誘われた不審者の気分だ。
しかし、肉を外で焼いてみたいかな_と考える。妻に話すと、新しい家なら、肉の匂いが家に付くのがイヤだと思う人もいるでしょう。とのこと。それに、バーベキューは、子供のためにやっているのであって、あなたの好き好きは関係ない_と言われ、返す言葉がなかった。
娘が小さかった頃は、8階や3階にある部屋に住んでいて、庭などなかった。土曜日も日曜日も勤めがあり、朝は5時過ぎに家を出て、帰るのは寄道しなくても8時近くになった。食べて飲んで、その後、すぐに寝て、翌日は3時起床で、持ち帰りの仕事をした。
たまにでも外で肉を焼いて、娘の喜ぶ顔を見てみたいと考える父親ではなかった。

若い頃に庭付きの家に住んでいたら、私も、バーベキューをしただろうか?或いは、今、孫がいたらどうだろうか。あれこれ、場面を想像してみるのだが、そこに私の姿を思い浮かべることは竟にできなかった。