kanashiikimochide

sakeganomitaitoki

戦争は知らない

カラオケのある2次会へは行かない。
それでも退職まで4年を残す秋、間違って、ついていったことがある。
いろんな人が、いろんな歌を歌うのを聞き流していた。
こんな人が、こんな歌を歌うのかと思うこともあったが、大半は知らない歌。
何か一曲_と歌本を渡されたが、知っているものがない。探すふりをしながら、氷ばかりになった水割りウィスキーを飲んでいた。
しかし、どうにも断り切れなくて、「戦争は知らない」を入れた。
曲名が出て、前奏が流れ始めると、
これ誰?誰が入れたん?知らん。間違い?
という声。
マイクを回してもらった。

私にも歌えると思ったのだが、下手な人間には、何であっても難しい。
しかし、歌っていると、一緒に歌ってくれる人が現れた。
見ると、自衛隊出身の技術畑の人。
あんた、こんな歌、知ってるんやな。と言われた。
口数の少ない、なかなか話しかけづらい人だったが、ほぼ同年齢だったようだ。

私は彼のことを5つほど上だと考え、彼は私のことを10程、若いと思っていたようだ。

口遊むと、いつも 

いわし雲とぶ 空の下

あたりの歌詞で、涙が溢れそうになる。