kanashiikimochide

sakeganomitaitoki

適量

仕事帰りに軽く。私にとって、それはコップ酒2杯くらいだった。時には3杯になり、立ち飲み酒房のオヤジさんから、スリー・ドリンク?と一応の確認が入ったりした。それが今では、小さなぐい吞み一杯を持て余すことがある。健康的になったのか、それとも自分では気づいていない不具合が生じているのか。

仕事が大変だった日の帰り、験直しに、職場の先輩や同僚と飲んでいた頃があった。先輩は、とにかく食べずに飲むだけの人。店に入ると先ず烏賊の刺身を頼むのだが、それが最後まで、殆ど手付かずのまま残る。何時何分の快速に、絶対に乗せてくれ_と念を押すのに、その時間になると必ず、もういい。と言い出す。終電車に間に合うように店を出る際、干からびたようになっている烏賊刺しを口に入れ、一番の好物だと繰り返した。4時間ぐらいで、どれだけ飲んだのか。私はそれなりに食べていたが、先輩は、ずっと酒だけ。途中、シシャモが好きだというので、試しに注文してみたことがある。しかし、それも食べなかった。

先輩は比較的愉快な飲み方をする人だったが、退職の10年程前から一切飲めなくなった。
一生の内、飲める量は決まっているのか。
あんたらと飲んでいる時に、残りの分まで全部飲んでしまったらしい。予定終了と笑いながら言ったのを今頃思い出している。